映画 感想

映像の魔術師・三池崇史監督が東野圭吾のベストセラーを映画化「ラプラスの魔女」

 

映画「ラプラスの魔女」は、2018年5月4日に劇場公開された三池崇史監督によるミステリードラマです。

 

元になっているのは東野圭吾による同名小説になり、豪華なラインナップによって映像化されています。
赤倉温泉村という観光地で、硫化水素によって映画プロデューサーが死亡事故する事故が発生しました。現場の不自然な状況について疑惑を抱いた麻布北署に所属する刑事・中岡は、地球科学研究者として名高い大学教授の青江に話を聞きにいきます。現場を丹念に検証していき自然科学的な見地から、青江はあっさりと事件性を否定する結論を導き出しました。事件から1か月ほどたったある日のこと、今度は苫手温泉という場所で同じような中毒事故が起きました。青江は赤倉温泉でも見かけた、ひとりの謎めいた少女・円華と言葉を交わします。未来を予知出来るという彼女に秘められたパワーに半信半疑だった青江ですが、予想外の事件へと巻き込まれていくのでした。

 

自然現象を操る不可能犯罪へと挑んでいく地球化学の研究者を、櫻井翔が熱演していました。1982年生まれの東京都出身で、1999年に人気アイドルグループ嵐のメンバーとしてデビューします。2002年の「ピカ☆ンチ LIFE IS HARDだけどHAPPY」で映画初出演を果たすと、「木更津キャッツアイ 日本シリーズ」や「ハチミツとクローバー」などの数多くのヒット作品に恵まれます。三池監督とは2008年に撮影された「ヤッターマン」以来の、10年ぶりにタッグを組むことになりました。自身にとっても2014年に公開された「神様のカルテ」から4年を経ての久しぶりの映画主演となり、広瀬すず扮する円華への責任感と好奇心が入り交じった複雑な感情を巧みに表現していました。
数1000年前の地球に纏わる研究していた大学教授が、未来を予測出来る人間と偶然にも巡り会ってしまう物語に惹き込まれていきます。随所にさりげなく挿入されている、ガラス越しの映像には味わい深いものがありました。青江教授がガラス窓の向こう側から円華を見つめるシーンには、登場キャラクターの相関図が暗示されていて印象的です。円華を匿うことになった部屋が、障子に囲まれているのも効果的でした。ある時には見えていてある時には見えないことから、次の展開が予測可能か不可能なのか伝わってきます。18世紀フランスの数学者にして天文学者のラプラスが唱えた未来予測の理論へと、21世紀を生きる地球化学者が挑戦していく姿がスリリングでした。
人知を越えた特殊能力を持ってしまった者たちの悲壮感と、彼らを取り巻く怪しくも切ない人間模様が見どころになっています。推理小説の愛読者ばかりではなく、自然科学や天文学に造詣の深い皆さんにも見て欲しい1本です。

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