映画 感想

不思議と勇気をもらえる映画「英国王のスピーチ」

 

イギリス国王ジョージ6世は国王になどなりたくはなかった。

 

しかし、彼の意思とは反対に兄エドワード8世が当時、王室が禁じていた一般人女性、しかも離婚歴があるアメリカ人女性との結婚を決めたことでジョージ6世は望まない国王の座に就くこととなったのだ。しかもジョージ6世は幼い頃から吃音という悩みを抱えていたからだ。

 

だが、スピーチで始まりスピーチで終わる公務の数々。
そこで彼は言語療法士であるライオネルと共に吃音の克服に挑むのであった。これはエリザベス2世女王の父親であるジョージ6世が吃音の克服に挑む姿を描いた実話の映画化だ。
ジョージ6世を演じたのはイギリス出身の俳優コリン・ファースで、この映画でアカデミー主演男優賞を受賞している。言語療法士を演じたのは『シャイン』で精神を病んだ実在のオーストラリア人ピアニストを演じたジェフリー・ラッシュだ。
この映画は派手なシーンがあるわけではないが、面白い。吃音に悩む国王ジョージ6世が言語療法士のライオネルと共に吃音の克服に挑む姿が描かれている。ライネルはジョージ6世をバーティと呼ぶ。相手が王室の人間であってもこびない姿が良い。音楽を聴かせながら本を読ませたり、体をほぐしたりと、少し変わった治療をしていく。
そしてナチスドイツの脅威が迫る中で、ジョージ6世は国民に対してスピーチをすることになる。
自分が抱える悩みから決して逃げることなく立ち向かう姿は本当に勇気づけられる。吃音でスピーチができないオープニングシーンは自分がジョージ6世になった気持ちになってくる。吃音克服のためにタバコを吸って、消毒したビー玉を口の中に入れる治療のシーンは笑える。全く効果などないと思わずツッコミを入れたくなってくる。
そして最大の見どころはジョージ6世が国民いスピーチをするシーンだ。彼の緊張感が痛いほど伝わってくる。
見終った時に、不思議と勇気をもらえる映画だ。何かを始めるために一歩を踏み出せると。つまづいてもいい。またそこから立ち上がっていけばいい。

 

派手なシーンが多いハリウッド映画を見るのもいいが、セリフに耳を傾け、俳優たちの演技を楽しむことができる映画を見るのもまたいいものだ。当時の時代背景を目にすることができること、王室の人々の姿を目にできることもこの映画の興味深いところである。一般人と会話と王室での会話の対比、英語での敬語表現を身につけるきっかけになる映画でもある。

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